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MOQ,SPQ,SNPとは?製造現場や購買・物流でよく使われる用語の意味を解説

MOQを説明する画像
藤澤 俊明

藤澤 俊明

代表取締役
シニアコンサルタント

トヨタ自動車の生産技術部門を経験後、製造系大手コンサルティングファームを経て2015年にカイゼンベース株式会社を設立。国内外の製造業を中心とした人材育成・改善支援に尽力中。

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MOQとは,SPQとは,SNPとは何か?スムーズに実務を進めるために必要なアルファベットの意味を解説

業務においては、様々な用語が溢れています。その中には、自分は知らない用語もあれば、自分は分かっていても相手が分かっていない単語もあります。
本ページでは、製造現場の部品管理や購買・物流でよく使われる用語であるMOQ, SPQ, SNPについて解説しています。

はじめに

実務においては、MOQ,SPQ,SNP,ERP,BOM等、様々なアルファベット用語が飛び交います。

あなたは、アルファベットの意味をしっかりと理解して使うことが出来ていますか?

意味をしっかりと理解しておかなければ、
「この製品は仕入れ部品のMOQが顧客要求のL/Tとミスマッチだから、SNPの変更も視野に入れながらMOQとSPQを下げる交渉が出来ないか。」
というような発言が出ると、もう暗号にしか聞こえません。

そんな用語が飛び交う中でも焦らず業務を遂行するためにも、しっかりと用語を覚えておくことが大切です。

本ページでは、MOQ,SPQ,SNPについて確実に覚えることが狙いです。

アルファベットの意味をしっかりと理解して使うことが出来ていますか?

MOQとは

まずMOQとは、Minimum Order Quantity の略です。

Minimum = 一番少ない
Order = 発注の
Quantity = 数量

つまり、一番少ない発注数量=「最低発注数量」のことを指します。

「少なくても、これ以上の数量の注文でなければ、受けられないよ。」と供給側から提示します。

生産においては、材料の手配、生産の準備、段取り替え等々を考えると、好き勝手な数量で注文を入れるとロスやムダが生まれてしまいます。欲しいのは1個だけとは言え、全ての会社から1個だけの注文に応えようと、手間ばかり掛かってしまい、利益が上がりません。

そこで、このMOQという基準を設定することで、最低の発注量を購買側に理解してもらい、あまりにも少量の注文が出来ないように制限を掛けているのです。

MOQとは、Minimum Order Quantity の略

SPQとは

次に、SPQについてです

SPQとは、Standard Packing Quantity の略です。

Standard = 標準の
Packing = 梱包の(=発注の)
Quantity = 数量(=単位)

つまり、標準の発注の単位=「最小発注単位」のことを指します。

「梱包は100個単位だから、注文も100個単位 (=SPQ100) でよろしくね。」というように、供給側から提示します。

例えば、SPQが100個の場合、注文は100個、200個、300個、・・・・というように倍数で発注を行なう必要があります。324個、501個といったように、中途半端な数量では注文を入れさせてもらえません。

SPQとは、Standard Packing Quantity の略

SNPとは

続いて、SNPについてです。

SNPとは、Standard Number of Package の略です。

Standard = 標準の
Number = 数
Package = 梱包の

つまり、標準の梱包の数=「出荷梱包単位」のことを指します。

「輸送効率を上げるため、製品毎に決めたSNPで出荷梱包よろしくね。」というように、出荷形態などを考えて、輸送コストが最小になるように考えて設定します。例えば、SNP=48個であれば、1つの梱包(カートン,ダンボール等)で48個の製品を梱包して出荷します。

なお、客先での生産ロットに合わせた数量で指示されることもあります(客先の生産ラインでは、256個ずつのロットで生産するため、SNPを256に合わせる等)。

このSNPは購買調達、物流の業務では頻繁に出てくる用語です。しっかりと覚えておきましょう。

SNPとは、Standard Number of Package の略

MOQとSPQの記載の仕方/読み方

MOQとSPQの記載の仕方・読み方を確認しておきましょう。

次のように書かれている場合、どのように読み取るか分かりますか?

MOQ / SPQ:1000 / 200

この場合、MOQ(最低発注数量)が1000なので、「1000個から注文を受けますよ」という意味です。
また、SPQ(最小発注単位)が200なので、「200個単位で注文数を変えれますよ」という意味です。

つまりこの記載の場合は、最低は1000個から、200個単位で注文が出来るということになります。
(1000,1200,1400,1600, ・ ・ ・ という注文をする)

一度覚えてしまえば簡単ですよね!

なお、もし提供側の会社が指定するMOQやSPQよりも「必要な数量が下回ったり合わない場合」は、交渉をしてみるのも手段の1つです。その会社との取引状況にもよりますが、取引量が多い場合であれば、MOQやSPQの設定は多少柔軟に対応してくれることもあります。

もちろんその場合は単価が上がってしまうケースもありますが、死蔵在庫になる可能性もあるのであれば、その交渉は積極的に行なっていく必要があります。

MOQとSPQの記載の仕方/読み方

まとめ

それではまとめです。

MOQ , SPQ , SNP 等、色々なアルファベットが業務では飛び交います。これらの用語は、知らなければ業務が進まなかったり、議論が噛み合わなかったりしてしまいます。

そうならないように、しっかりとそれぞれのアルファベットの意味を理解することが必要です。今回紹介したMOQ,SPQ,SNP等の用語は、最低発注量の交渉や価格交渉にも必須のキーワードです。
用語を覚えておき、スムーズな実務、そして、実務におけるトラブルを防止に繋げていきましょう。

なお、このMOQやSPQに関しては、様々な議論があります。

例えば、「お客様が1個だけ欲しいと言っているので、MOQやSPQは設定せずに1個でも対応すべき」という主張もあります。このような主張にも一理ありますが、購買側の一方的な理屈を主張するだけではなく、提供側のレベルもしっかりと考慮してMOQやSPQを決定していかなければなりません。その上で、顧客の要望に応えられるように、MOQ/SPQ/SNPを合わせられるように改善していくことが大切ですね。

また、SPQとSNPが合っていない(倍数ではなく、全然違う数になっている等)ことによる余計な調整確認業務など、間接工数の増加が発生してしまっているケースも多々あります。
効率的な購買、効率的な物流を行なうために、あなたの会社のSPQ/SNPに改善の余地がないか、一度確認してみることをオススメします。

MOQ/SPQ/SNPのまとめ

以上で、MOQ,SPQ,SNPの用語解説を終わります。
製造現場で飛び交う専門用語をバッチリ理解していると、きっと一目を置かれる存在になるはずですね!

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