仕事のキホン(ビジネスメール・電話応対・FAX送受信・送付状・敬語表現)を解説
ビジネスにおける各種コミュニケーションツールとは
ビジネスでは、関係者とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていかなければなりません。
一般生活とは異なり、社会人として働く上では、仕事の基本として守らなければならないルール・マナーが存在します。基本マナーを身に着けて、キラリと光る社員になりたいですよね。
コミュニケーションツールには様々なものがあります。
・電子メール
・電話
・FAX
また、書類を送る際には、送付状を付けることも必要です。さらに、普段の会話の時にも、コミュニケーションツールを使ったやり取りの際にも、正しい敬語を使うことが欠かせません。
本ページでは、仕事の基本として覚えておくべき基本ルールやマナーについて解説しています。
ビジネスにおけるメールの基本マナー
今やビジネス上のコミュニケーションツールとして欠かすことの出来ない電子メールですが、いつでも万能な連絡手段というわけではありません。無意識のうちに相手の失礼になってしまっていることも少なくありません。
あなたは自信を持って「大丈夫!」と言えるでしょうか?今一度、ビジネスメールの基本的なマナーをおさらいしましょう!
メール連絡のメリット
今やビジネス上のコミュニケーションツールとして欠かすことの出来ない電子メール。
電話と違って相手の仕事を邪魔しなくて済むこと、複数の宛先に同時送信できることや、履歴を後で確認しやすいことなど、たくさんのメリットがあります。
最近では、電話よりメールでの連絡のほうが多いという方も多いのではないでしょうか。
しかし便利な反面、微妙なニュアンスを伝えることが難しいので、無意識のうちに相手の失礼になってしまっていることも少なくありません。
メールの基本的な型
まずはメールの基本的な型について確認しましょう。
件名
メールを開かなくても大体の内容が分かるような、本文を要約したタイトルを付けます。
相手が毎日大量にメールを受信しているような人であれば、件名が明確でないメールは埋もれてしまい、読んでもらえない可能性があるからです。
「打ち合わせの件」「ご報告」などという件名はビジネスメールでは使わないようにしましょう。
悪い例:「打ち合わせの件」
良い例:「○/○の○○についての打ち合わせの件」
送り先
本文の一番最初は相手の社名、名前からから始めます。
- 相手の社名 ※(株)など略さず正式名称で!
- 部署名
- 担当者の敬称、氏名
署名
本文の一番下には署名を入れましょう。
- 自分の社名
- 部署名
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
社外向けのメールの場合、住所や電話番号を記載しておくことで、相手がわざわざ電話帳を開かなくて済むので親切です。社内向けのメールの場合は住所や電話番号を記載しても意味がないので、内線番号に変えると良いでしょう。
本文を書くときに注意するポイント
本文を書くときに注意するべきポイントを4つ紹介します。
頭語、時候のあいさつは不要
普段のビジネスメールでは、必要なことを簡潔に伝えることが求められています。
そのため「拝啓」「敬具」などの頭語と結語、時候のあいさつは省略することが多いです。「お世話になっております」など、簡単な挨拶ではじめるといいでしょう。
一行あたりの文字数は35文字まで
文字数が長いと横にスクロールしなければならないので、読みづらくなります。
一行あたり35文字くらいに収めるようにします。
段落をつくる
適度に段落を作ったほうが読みやすくなります。
5行程度でひとまとまりにし、段落と段落の間は一行空けましょう。
日時や場所は箇条書きにする
文章の量が多いと重要な項目が分かりづらくなります。
打ち合わせの日付や場所は箇条書きにするなど、相手がパッと見て分かるような工夫をしましょう。
悪い例:次回の打ち合わせは○/○の○時から○○会議室にて行います。
良い例:次回の打ち合わせは以下のとおり開催します。
・日時 ○/○ ○時
・場所 ○○会議室
TO,CC,BCCの使い分け
ビジネスメールを送信するときに迷いがちな、TO、CC、BCCの使い分けを確認しておきましょう。
TO:「あなたに送っています」という意味です。
用件を必ず知らせたい人にはTOで送信します。TOでメールが届いた場合は返信をする必要があります。
CC:「参考までに送ります」という意味です。
念のため内容を知らせておきたい人にはCCで送ります。
CCの人は基本的には返信をしなくてOKです。
BCC:「TO,CCの人に知られないように送ります」という意味です。
複数の人に一斉送信した場合、BCCで送ると他の受信者はBCCの人のアドレスを見ることができません。
面識のない複数の人に送りたい時などに使うことがあります。
「一応知らせておこう」となんでもCCに入れてしまうと、相手の迷惑になることも。
本当にその人に送信するべきか、TO,CC,BCCどの宛先で送信するべきかをよく考えて決めましょう。
まとめ
便利な電子メールですが、いつでも万能な連絡手段というわけではありません。
相手がメールを読んでくれたかどうかが分からないので緊急の連絡には向きません。
お詫びなど誠意を伝えなければいけない場合には、電話をしたほうがいいでしょう。
仕事が出来る人はメールと電話を適切に使い分けているものです。
マナーを守り、仕事を円滑に進められるようなメールのやり取りを心掛けましょう。
電話対応の基本マナー
会社員になると、電話応対をしなければならないシーンが出てきます。しかし、はじめのうちは電話を取るのは怖いですよね。
相手が誰か分からないし、聞かれたことに答えられるかも分からない。。。そんな気持ちから電話に出るのに苦手意識を持っている人も多いようです。
それではここからは、社会人になったら知っておくべき電話の基本を理解し、会社の代表として恥ずかしくない電話対応を行うためのポイントについて確認していきます。
電話対応の大切さ
最近はビジネス上の連絡を、メールやチャットで行う場面も増えてきました。
とはいえ、電話は会社の大切な窓口。
あなたの対応ひとつで会社全体の印象を左右すると言っても過言ではありません。
それでは、好印象を与える電話対応の基本をチェックしていきます。
電話に出る際のポイント
まずは、電話に出る際のポイントです。
ポイント1
電話が掛かってきた時にすぐにメモが出来るように、メモ帳やメモ用紙を事前に用意しておきましょう。
電話の途中で「メモを用意しますのでお待ちください」などと相手を待たせることのないように、常に手元に紙とペンを用意しておくことが基本です。
ポイント2
電話が鳴ったら「3コール以内に出る」というのがビジネス上でのマナーです。
もしそれ以上お待たせしてしまった場合には、「お待たせいたしました。」と付け足すことで、申し訳ない気持ちを伝えるようにしましょう。
ポイント3
電話に出たら、2秒くらい空けてから、社名と自分の名前を必ず名乗ります。受話器を取ってすぐに話し始めると、初めの部分が途切れてしまうことがあるので注意が必要です。
また、暗くてボソボソとした声では、相手が聞き取りづらく、印象も悪くなります。普段話している声よりも少し高めの声でハキハキと話すようにしましょう。
ポイント4
こちらが名乗ると普通は相手方も社名と名前を名乗ります。この際には、面識がなくても「いつもお世話になっております。」と挨拶をしましょう。
もし相手が名乗らなかった場合には「失礼ですがお名前をお伺いできますでしょうか?」と必ず確認をします。
ポイント5
電波状態が悪かったり、相手の声が聞き取りづらい時には、「申し訳ありません。お電話が少し遠いようなのですが・・・」とお詫びをし、もう一度言ってもらえるように促します。
間違っても、「聞こえません!」や「はい?」という失礼なことは言わないように注意しましょう。
電話を取り次ぐ時のポイント
続いて、担当者に電話を取り次ぐときのポイントです。
担当者に電話を取り次ぐ場合
「○○でございますね。少々お待ちください。」と言って保留にします。
社外の人に対しては、社内の人物を役職や敬称は付けずに呼び捨てにするのがビジネスマナーです。
例えば、「佐藤部長はいま席を外しております。」「小林先輩はただ今外出しております。」「斉藤さんはもうすぐ席に戻ると思います。」というように社内の人物を呼ぶと、常識知らずと思われる可能性があります。「部長の佐藤はいま席を外しております。」「小林はただ今外出しております。」「斉藤はもうすぐ席に戻ります。」というような伝え方をするのが正解です。
なお、保留は30秒以上は待たせないようにしましょう。
取次ぎ以外にも、確認に時間がかかるような場合には連絡先を聞いて電話をいったん切り、自分から折り返し電話を掛けるようにしましょう。
担当者が不在の場合
「申し訳ありません、あいにく○○は席を外してしております。」(社内にいる場合)
「申し訳ありません、あいにく○○は外出しております。」(社外に出ている場合)
と伝えます。
詳しい行き先などは基本的には伝えないようにしますが、戻り時間が分かる場合には何時頃帰社予定かを伝えます。「戻りましたら、こちらから連絡差し上げましょうか?」などと折り返し電話が必要かどうかも確認すると親切です。
相手の連絡先を聞き、間違えのないように必ず復唱してから電話を切るようにするのもポイントです。
ちなみに、電話は掛けた方から切るのがマナーです。しかし相手がお客さんの場合には、相手が電話を切るのを待ってから静かに受話器を置くようにしましょう。
まとめ
電話は顔の見えないコミュニケーションですが、声のトーンや話し方でその人の感情が伝わるものです。不親切で感じの悪い対応をすると、あなただけでなく会社全体の印象を悪くしてしまいます。
もっとも大切なことは相手の気持ちを考え、丁寧に対応することです。その思いやりの心は、電話でも確実に相手に伝わります。
ご紹介した基本のビジネスマナーをふまえ、会社の代表として恥ずかしくない電話対応を心掛けましょう!
郵送で書類を送付する時の送付状のマナー
郵送で書類を送付するときには、1枚目に送付状を添付するのがビジネスマナーです。
基本の送付状の書き方を知っておきましょう。
送付状の書き方例
日付
送付日時を右上に記載します。西暦、和暦どちらでもかまいません。
宛先
左上に送り先の会社名と部署名、担当者名を記載します。会社名、部署名の場合は「御中」、担当者名の場合は「様」を付けます。
ただし、「御中」「様」は併用して付けないようにしましょう。担当者名を記載する場合は「御中」は省きます。
悪い例:○○株式会社○○部 御中 ○○様
良い例:○○株式会社○○部 ○○様
自分
右上の日付の下に自分の会社名と名前、連絡先を記載します。
頭語と結語
頭語と結語はふたつセットで使います。ビジネス文書の場合は頭語に「拝啓」、結語に「敬具」を用いるのが一般的です。
挨拶文
「拝啓」の後に一文字あけて挨拶文を記載します。下記のような季節に関係なく使える挨拶文が一般的です。
「時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
「平素は、格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます」
記、以上
送付内容の上に中央揃えで「記」と記入、最後に左下に「以上」を記載します。「以上」の下には何も書かないようにしましょう。
送付内容
送付する書類の内容と枚数を記載します。数種類の書類を送付する場合は箇条書きにしましょう。
送付状の項目
7つの項目を押さえた送付状を作成しよう
社会人として恥ずかしくない送付状の書き方について紹介しました。
最低限7つの項目を押さえておけば相手に失礼のない送付状を作ることが出来ます。
ビジネスの相手と円滑な関係を築くためにも、必ず添えるようにしましょう。
送付状の記載例ダウンロード
FAX送受信の基本マナー
最近では、eメールやチャット等、FAXを使う機会は随分と減りましたが、それでもまだまだFAXを使う機会はゼロではありません。
FAXを送信する際にも、必ず送信状を付けるのが社会人としてのマナーです。いざという時に失礼な対応になってしまわないように、FAXに関するマナーを覚えておきましょう!
それでは、FAX送受信のマナーの中でも、「FAX送付状」の作成方法とポイントについて紹介します。
なぜFAX送付状が必要?
紙で作成した書類を郵送する時だけではなく、FAXを送信する場合も、送付状を文書に添付するのがマナーです。
なぜFAXでも送付状が必要なのでしょうか?
いくつか理由はありますが、主なものとして、
・挨拶としてのコミュニケーションのため
・必要な情報を正確に届けるため
・FAXの概略を一目で分かるようにするため
等が挙げられます。
つまり、送付状は、FAXを受け取った人の利便性を高めるために必要不可欠なものなのです。
FAX送信状作成のポイント
では、FAX送信状はどのように作成したらよいのでしょうか。
FAX送付状に明記すべき5つの項目は次の通りです。
① 送信日時
② 宛名(会社名、部署名、役職、氏名)
③ 差出人(会社名、部署名、氏名、電話番号、FAX番号)
④ 挨拶文・送信する文書の概要・補足説明
⑤ 送信枚数・送信する文書の詳細
それぞれについて確認してみましょう。
日時、宛名、差出人を記載する
FAX送付状の上部には、送信日時、宛名、差出人を記載します。
ここに示しているように、
①送信日時は年月日を記載します。
②宛名は会社名、部署名、役職、氏名、FAX番号等を記載します。
③差出人欄も同様に、会社名、住所、電話番号、FAX番号、部署名、氏名等を記載します。
差出人の住所は必須ではありませんが、念のため記載しておくとより丁寧です。
挨拶文・文章の内容・補足説明を記載する
中央部分には、④ 挨拶文・送信する文書の内容・補足説明を記載します。
「FAX送付のご案内」というタイトルの下に、「拝啓」から始まり、挨拶文、内容を記載し、「敬具」で終わるようにしてください。
なお、タイトルは送付するFAXの内容に合わせて変更するようにしましょう。
また、挨拶文も必ずしもこの文章である必要はありませんが、迷ったら、
「貴社ますまずご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
と書いておくと間違いありません。
送信枚数・送信する文書の詳細を記載する
下部には、⑤ 送信枚数・送信する文書の詳細を記載します。
ポイントとしては、
・何をどのくらい送るのかが分かるように記載すること
・「記」から始まり、「以上」で終わること
・送信枚数は、送付状自体を含むのか含まないのかを明記すること
等が挙げられます。
例えば、「契約書 一部」「申請書類一式」など、送付されたものが何であるか、誰でも分かりやすいように記載するようにしましょう。
とは言え、要は何を何枚FAXで送っているのかが誰でも分かるように記載すればよいということですので、難しく考えずにシンプルに書けばOKです。
FAX送信時の+αのコツ
なお、FAX送信時のコツとして、「受け取った相手にお願いする次のアクション」についても明記しておくと確実なやり取りができます。
例えば、
「必要事項をご記入の上、FAXにてご返送お願い致します。」
「内容をご確認頂き、間違いがございましたらご連絡ください。」
「受信後、折り返しご連絡をお願い申し上げます。」
等のように、曖昧にせずに必要なアクションをしっかり明記し伝えるようにしてください。
なお、時短術として、FAX送付状は、必要事項を記入すればすぐに作成出来るように、あらかじめテンプレートを作っておくと便利です。
フォーマットの必要事項を記入・書き換えるだけなので、数分あれば作成ができます。
FAX送付状のテンプレート
下記のページでは送付上のテンプレートをダウンロードすることが可能です。是非活用してみてください!
ビジネスにおける敬語の使い方
それではここからは、意外と間違ってしまいがちな敬語表現について確認していきたいと思います。
ビジネス敬語とは
ビジネスシーンで上司や得意先など、目上の人に対して使っている敬語。
自分ではわかっているつもりでも、意外と間違った使い方をしている人も多いのではないでしょうか?
間違いやすい敬語の表現をまとめましたので、自分が普段使っている言葉が正しいかどうかチェックしてみましょう!
二重敬語とは
敬語表現を2つ以上重ねて使うことを二重敬語と言います。
丁寧に言おうと意識しすぎると二重敬語になってしまうことがありますが、実は下記に載せた表現は間違いです。普段、当然のように使っているものがないか、チェックしてみましょう。
ご覧になられましたか?
「ご覧になる」と「~られる」という二つの尊敬語が重なっています。
「ご覧になりましたか?」が正解です。
おっしゃられました
「おっしゃる」と「~られる」という二つの尊敬語が重なっています。
「おっしゃいました」が正解です。
お見えになられました
「お見えになる」と「~られる」という二つの尊敬語が重なっています。
「お見えになりました」「お越しになりました」が正解です。
拝見させていただきます
「拝見する」と「~させていただく」という二つの謙譲語が重なっています。
「拝見します」が正解です。
お伺いいたします
「お伺いする」と「~致します」の二つの謙譲語が重なっています。
「伺います」が正解です。
間違えやすい敬語表現
次に、ビジネスでよく使ってしまいがちな、間違いやすい表現をまとめました。
とんでもございません
「とんでも」と「ない」に分かれている言葉ではなく、「とんでもない」という形容詞です。
「とんでもないです」「とんでもないことでございます」が正解です。
どうかいたしましたか?
「いたします」は自分がするときに使う謙譲語です。
「する」の尊敬語は「なさる」なので、「どうかなさいましたか?」が正解です。
お休みをいただいております
休みをもらっているのは自社からなので、自社に対する敬意になってしまいます。
「休みを取っております」が正解です。
○○様でございますね
「ございます」は「ある」の丁寧語なので物に対して使います。
「○○様でいらっしゃいますね」が正解です。
お名前をいただけますか?
「いただく」は物に使う謙譲語です。
名前はもらう物ではないので、「お名前を伺ってもよろしいですか?」が正解です。
今回は、普段使ってしまいがちな間違えやすい敬語のフレーズを紹介しました。
正しいと思って普段使ってしまっている言葉はなかったでしょうか?
相手に尊敬の気持ちを示すための言葉も、使い方を間違えてしまうと逆に失礼な印象を与えてしまいます。
これを機に正しい敬語を使うことを心がけましょう!
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