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親和図とは?(新QC7つ道具の手法解説①)

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小川 裕之

小川 裕之

コーディネーター
人材教育コンサルタント

自動車部品メーカーにおいて、生産部門・品質部門・生産管理・生産技術等のマネジメント業務を幅広く経験。現在は、現場改善や工場改革、人材教育に関するソリューション活動に尽力中。

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親和図法とは

親和図法とは、まとまりのないバラバラな言語データをデータの親和性によって整理する手法です。新QC7つ道具のうちの1つです。
親和性とは、物事を組み合わせた時の相性の良さを指します。

スライドのような親和図を作成していきます。

似たもの同士をまとめながら整理していくことで、問題の全体像、構造、ポイントが把握でき、取り組むべき課題が明確になります。

親和図法は、文化人類学者である川喜多二郎氏が考案したKJ法が起源となっています。

親和図法とは

新QC7つ道具に関しては、下記ページで詳細を解説しています。

こちらをチェック!

[reg-bnr]新QC7つ道具の活用シーン 新QC7つ道具、通称N7(エヌナナ) 新QC7つ道具とは、数値化できない言語データを整理し、新たな発想を得て問題解決へつなげる手法です。 略してN7(読み:エヌナナ)と呼ばれま...

新qc7つ道具をイメージする画像

どんな時に親和図は使えるか

親和図法は、さまざまな言語データがあり整理がつかないときや、取り組むべき課題が明確でないときに使います。

整理するまでもない簡単な問題や、即決すべき問題の解決には親和図法は向いていません。
問題を整理する必要があるときに使うのが親和図法です。

親和図法を使うシーン

親和図の作成手順

親和図は、以下の8STEPで作成・活用を進めていきます。

STEP1.目的を決める
STEP2.言語データを挙げ、カード化する
STEP3.言語カードをまとめる
STEP4.親和カードを作る
STEP5.STEP3・4を繰り返す
STEP6.親和図を作成する
STEP7.情報を文章化する
STEP8.活用方法を決める

親和図の作成手順

こんな時には親和図を使おう

何から取り組めばよいか明確でないときには、親和図を作成しましょう。

現場改善を行い生産性を上げたい。
現場の5Sを推進したい。
品質問題を解決したい。
と思っていても、具体的に何から取り組めばよいか不明確な場合には、

まずは親和図を作成し、問題を整理しましょう。

親和図を作成することで、現在起こっている事実が整理され、問題点や取り組むべき課題が明確になります。

こんな時には親和図を使おう

問題の全体像を把握にも

全体像が明確になっていない時にも、親和図は有効です。

例えば、改善テーマを決める際に、「設備Aのトラブルが多いから対策しよう」
と始めから決めてかかってはいけません。

より優先的に取り組むべきテーマに気付いていないケースも多々あります。
まずは親和図を作成し、現場で起こっている問題の全体像を把握しましょう。

全体像が明確になっていないとき

親和図の作成により生まれる効果

1つ目の効果は、職場内のコミュニケーションが活発になることです。

出てきた項目をきっかけに、メンバーで話し合うことができます。
相手の言うことを批判せず、便乗して意見を膨らませていくことで、話しやすい雰囲気となっていきます。
改善案までは考えつかなくても、問題と事実のみを挙げればよいため、気付いたことを気軽に話し合える場が生まれます。

職場内コミュニケーションを活性化させるツールとしても有効に活用していきましょう。

親和図の作成により生まれる効果

問題に気付く力を養う

2つ目の効果は、問題に気付く力が養われ、現場力が向上することです。

親和図の作成サイクルを回すことで、現場1人1人が普段から現場の問題を見つける習慣がついてきます。
また、活動を通じて他の人がどんな視点で問題を発見しているかを知ることができ、自身にその視点を取り入れることができるようになります。

現場改善を行うための第一歩は、「何が問題か」を見つけ、整理することです。何が問題かが明らかになれば、改善策を見つけることは難しくありません。
現場のメンバー1人1人の問題に気付く力が養われることで、現場力は向上していきます。

問題に気付く力が養われ、現場力が向上する

事実と推測を分けて考える力を養う

3つ目の効果は、事実と推測を分けて考える力が養われることです。

問題を具体的に挙げるという方法のため、目の前の事実を見て言葉にする習慣がつきます。

短い文章で表現するため、自分の推測や考えを入れる余地がなく、目の前で起きている事実のみを判断し、言葉にする力が養われます。

問題と改善案を合わせて考えると、自分の意見や推測が入り、事実と推測の区別がつかなくなってきます。
親和図の作成の際には、改善案は挙げずに、目の前で起きている問題だけを挙げるため、事実と推測が混同されにくくなります。
現場からの報告に事実と推測が混じってしまい、報告を受けた上司が現場の事実を正しく把握できない、という組織がよく見受けられます。
そういった組織では、親和図の作成を通してメンバー1人1人が事実と推測を分けて考える力を養うことが有効です。

事実と推測を分けて考える力は養われる

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