カイゼンベース / KAIZEN BASE

A3資料1枚でまとめる!トヨタ式問題解決8ステップとは?

トヨタ式問題解決8ステップとは?
藤澤 俊明

藤澤 俊明

代表取締役
シニアコンサルタント

トヨタ自動車の生産技術部門を経験後、製造系大手コンサルティングファームを経て2015年にカイゼンベース株式会社を設立。国内外の製造業を中心とした人材育成・改善支援に尽力中。

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問題解決8ステップとは?

問題解決8ステップとは、トヨタ自動車で生まれた問題解決手法です。

問題解決の効果を最大かつ着実に創出するために、8つのステップに体系化されたものです。8つのステップに沿って問題解決を進めていくことで、再現性のある問題解決力を身に付けることが出来ます。

問題解決8ステップとは

これが問題解決8ステップ!

Step1:取り組む問題の明確化
Step2:問題の層別と問題点の特定
Step3:目標値と達成時期の明確化
Step4:真因の特定(なぜなぜ分析)
Step5:対策案検討とスケジュール策定
Step6:対策の実行
Step7:効果の確認と評価
Step8:標準化と横展開

1~8のステップに沿って問題解決を進めることで期待される結果を導くことができます。

問題解決8ステップの各ステップ

A3資料1枚にまとめるイメージ

A3資料1枚にまとめるというのは、ここに示す画像のようなイメージです。

左側にStep1~Step3、右側にStep4~Step8の実施結果を記載していきます。

それでは、各ステップの概要をA3資料の配置と合わせて確認していきましょう。

A3資料1枚にまとめるイメージ

問題解決8ステップ 各ステップの概要について

タイトル等の基本情報の記載

まずは、Stepに入る前に、タイトル等の基本情報です。

内容が一目で分かるタイトルを付けましょう。また、作成した人やトレーナー・メンターの方の部署情報や名前も記載します。

なお、タイトルも何となく適当に付けてはいけません。タイトル付けにおいては、聞き手に興味を持たせるタイトル付けの訓練の目的も含まれています。

タイトル等の基本情報の記載

Step1:取り組む問題の明確化

Step1は、取り組む問題の明確化です。自社の置かれている環境から自職場の問題点を明確化していくステップです。

Step1では、物事を戦略的な視点で見る訓練、あるべき姿を描き現状とのギャップを明確にする訓練を目的としています。

Step1:取り組む問題の明確化

Step2:問題の層別と問題点の特定

Step2は、問題の層別と問題点の特定です。大きな問題点を詳細に調査し、具体的な問題点に落とし込むステップです。

Step2では、調査のために必要な分析手法を理解し、誰でも問題を具体的にイメージできるところまで落とし込む訓練を目的としています。

Step2:問題の層別と問題点の特定

Step3:目標値と達成時期の明確化

Step3は、目標値と達成時期の明確化です。数値目標と達成期限を設定するステップです。

Step3では、明確化された問題に対する目標・期限の設定力の訓練を目的としています。

Step3:目標値と達成時期の明確化

Step4:真因の特定(なぜなぜ分析)

Step4は、真因の特定(なぜなぜ分析)です。なぜなぜ分析により真因を特定していくステップです。

Step4では、なぜなぜ分析の手法の理解により、安易な対策とならないための真因特定の思考プロセスの訓練を目的としています。

問題解決において一番大切なステップです。

Step4:真因の特定(なぜなぜ分析)

Step5:対策案検討とスケジュール策定、Step6:対策の実行

Step5は、対策案検討とスケジュール策定、Step6は対策の実行です。対策案を複数検討し、QCDの視点から優先順位を決め対策を実行していくステップです。

Step5、Step6では、QCDの考え方を理解し、自分で決めたことを日程通りに遂行する訓練を目的としています。

Step5:対策案検討とスケジュール策定、Step6:対策の実行

Step7:効果の確認と評価

Step7は、効果の確認と評価です。実行した対策がやりっぱなしにならないように、結果と目標値の差異を確認するステップです。

Step7では、対策効果を数字で評価し見極める訓練、PDCAサイクルを回す訓練を目的としています。

Step7:効果の確認と評価

Step8:標準化と横展開

Step8は、標準化と横展開です。対策したことが後戻りしないように標準化により歯止めをかけ、横展開により効果を最大化するステップです。

Step8では、仕組みへの落とし込みと、自職場だけでなく会社全体目線で考える訓練を目的としています。

Step8:標準化と横展開

各ステップをまとめると

以上が問題解決8ステップの流れです。

Step1では、現場を見て問題に気付き、取り組むべき問題を挙げることができること。
Step2では、大きな問題を層別し、手法を用いて分析し優先順位を付けることができること。
Step3では、適切な目標水準と完了時期を設定できること。
Step4では、なぜなぜ分析を活用し、真因を特定できること。
Step5,6では、複数の対策を立案し、実行スケジュールを見える化できることと、粘り強く対策をやり遂げることができること。
Step7,8では、手法を活用し効果を評価し、標準化や横展開に繋げることができること。

これらが各ステップのポイントになります。問題解決8ステップの流れを体で覚え、 A3資料1枚にまとめるプロセスを通じて、精度良く改革・改善が出来るスキルを身に付けていきましょう!

各ステップのまとめ

問題解決8ステップを効果的に実践するために

問題解決8ステップのポイント

問題解決8ステップのポイントは、実践で成果を出しながら人材育成を行うアプローチであることです。
成果を出すプロセスを体験しながら、次に挙げる要素の習得により、人材育成を目指します。

実践で成果を出しながら人材育成を行うアプローチ

伝えたいことを資料に要約する力

1つ目は、実践した内容を効果的にA3資料1枚にまとめ、伝えたいことを資料に要約する力です。
問題解決のプロセスでは様々な分析や考察を行います。
これらをA3サイズの資料1枚に整理し、第三者にも分かる形にまとめる力を身に付けていきます。

プレゼン力

2つ目は、上位職の方々の前での発表を通したプレゼン力です。
伝えたいことを簡潔にA3資料にまとめ、それを伝える技術を身に付けていきます。

分析手法(なぜなぜ分析、QC7つ道具等)の実践での活用力

3つ目は、各ステップにおける分析手法(なぜなぜ分析、QC7つ道具等)の実践での活用力です。
手法は覚えただけでは意味を成しません。しっかりと実践で活用する力を付けていきます。

関係者を巻き込んだリーダーシップ

4つ目は、関係者を巻き込み活動を進めていくことを通したリーダーシップです。
問題解決はテーマが大きいほど、関係者を巻き込んでいくことが求められます。
関係者を動機づけしながら問題解決していく力を付けていきます。

業務マネジメント力

5つ目は、自ら対策計画を立てて実行し、結果の検証をする業務マネジメント力です。
成果を出すために、PDCAサイクル・マネジメントサイクルを確実に回していく力を付けていきます。

問題解決8ステップの活用目的

1つ目は、8ステップに沿って進めていくことにより、複雑な問題でも着実にプロセスを踏んで解決を進めることです。
簡単な問題なら決め打ちでも良いですが、難しい問題の場合はそうもいきません。
問題解決8ステップを身に着けることにより、すぐに解決策に飛びつかずに、本質を見極める力を養うことができるようになります。

2つ目は、問題解決を進めるチームメンバーと問題認識や到達イメージを共有することです。
メンバーが個々に頭の中に描くイメージは異なっていることも多いものです。
問題解決8ステップに沿って進めていくことで、同じイメージを描くことができるようになります。

3つ目は、問題解決を行ったことを形に残し、ノウハウとして会社の財産とすることです。
問題解決8ステップにより、標準化まで落とし込むことで、数年後にまた同じ改善… というムダを無くし、知見の上に知見を積み上げることができます。

問題解決8ステップの活用目的

その他にも、対象範囲やターゲットを明確化し、議論の発散を防ぐことや、いつまでにどの水準まで変化させるか、全員が同じ認識を持つこと、真因、対策の有効性や効果などをストーリーと数字で見える化すること、標準化、横展開まで含めて完了させることで、改善の効果を最大限に発揮すること等が問題解決8ステップを活用する目的となります。

ステップに沿って問題解決を進める力を身に着けることで、実務で発生する問題を解決したり、組織目標を達成するための課題を達成できる人材を目指していきましょう!

問題解決8ステップのその他の活用目的

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使用用途 社内教育や発表資料作成における作業効率化等
ファイル形式 PDF
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問題解決8ステップの詳細を学ぶ!学習コースのご紹介

問題解決8ステップに関して、動画や理解度テストにより詳細な内容の学習が可能です。詳細の学習や実践でのご活用をご検討の方は、是非ご活用ください。

学習コース「ps-51:トヨタ式問題解決8ステップの進め方~Part1~」

問題解決8ステップの概要とStep1~Step3の詳細を学ぶことができる学習コースです。

学習コース目次

Lesson1:問題解決の重要性(7:47)
Lesson2:問題解決8ステップの概要(10:24)
Lesson3:Step1:取り組む問題の明確化(12:55)
Lesson4:Step2:問題の層別と問題点の特定(15:31)
Lesson5:Step3:目標値と達成時期の明確化(10:14)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:全部門(係長/次長・課長)
動画再生時間:約57分
想定学習時間:約1時間54分
教材の構成:動画コンテンツ5ケ,理解度確認テスト 各章5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:問題解決の重要性」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:問題解決8ステップの概要」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

学習コース「ps-52:トヨタ式問題解決8ステップの進め方~Part2~」

問題解決8ステップの概要とStep1~Step3のおさらいから始め、さらにStep4以降に踏み込み「なぜなぜ分析」の正しい運用方法、スケジュール策定の重要性、標準化・横展開の効果などを、より具体的に解説します。すぐ実践に生かしていきたい問題解決法について、順を追って学習しましょう。

学習コース目次

Lesson1:Step4 : 真因の特定(なぜなぜ分析)(15:28)
Lesson2:Step5 : 対策案検討とスケジュール策定(14:02)
Lesson3:Step6 : 対策の実行(12:41)
Lesson4:Step7 : 効果の確認と評価(13:40)
Lesson5:Step8 : 標準化と横展開(12:36)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:全部門(係長/次長・課長)
動画再生時間:約1時間48分
想定学習時間:約2時間55分
教材の構成:動画コンテンツ5ケ,理解度確認テスト 各章5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:Step4 : 真因の特定(なぜなぜ分析)」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:Step5 : 対策案検討とスケジュール策定」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

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